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help リーダーに追加 RSS 中央構造線サイクリング その1

<<   作成日時 : 2006/09/07 14:09   >>

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 今から5年前の2001年8月に参加した中央構造線サイクリング。
後にロングライドに魅せられていくきっかけのサイクリングでした。2日間のサイクリングは、とてもよかった。その様子をレポートにしてみました。
 いらなくなった割り箸を真中でパキッと折ると日本列島のように弓形になります。中央構造線は、日本列島が弓のように曲がっている、その折れているところの窪んだ谷筋になる。
 Google Earthで見おろすと天竜川に沿って諏訪湖付近まで川が侵食してできた大断層が確認できます。その谷筋の中央構造線に沿って通称秋葉街道(国道152号線)が走っていて、長野県高遠から南信濃村まで分杭峠、地蔵峠の二つの峠を越えて約91キロの距離を2日間でサイクリングしようという大会がこれです。第16回を迎えるほどの伝統ある大会ですが、今年(2006年)は、豪雨の影響で通行止めとなって、大会中止を余儀なくされたと聞いています。

1日目は、2001年8月4日(土)

プロローグ

 自宅(静岡市)から長野県高遠町へ朝5時40分に出発。早朝だから交通量も少なく、距離も東名高速道路を使うまでもないのだが、楽しみに胸いっぱい、ハヤル気持ちを押さえられず、何の疑いもなく清水インターから高速に入った。その直後、妻が免許証を忘れたと言い出した。私は、サイクリング、妻は観光を兼ねてクルマ移動だから免許証は必携だ。次ぎの富士インターから引返して仕切りなおしということになってしまった。この清水IC、富士IC間は17qと東名高速最長区間、ここで正味1時間ロスすることになってしまった。
 サイクリングで走る秋葉街道は、以前から興味があって、秋葉山信仰の道、遠州と信濃を結ぶ塩の道、三方ヶ原の合戦で甲州武田軍が南下した軍事街道など歴史の道を辿るという、初老の自分探しに目覚めたオヤジにとって、趣味の自転車遊びと古道への興味とが重なって参加することを思い立った。せっかく出掛けるのだから、日本のチロルと呼ばれている下栗の里(上村)に、もう1日泊してみたい。同伴の妻は、サイクリングの間クルマを運転して移動してもらうことになっている。道輪狭いし運転は得意でないが、交通量は少ないし、ゆっくり走れば良いし大丈夫だろう。温泉旅行を兼ねて女房孝行もできそうだ。

スタート「高遠城址公園」(標高800m、次のチェックポイントまで区間8.7q、標高差26m・平均勾配0.3%)
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 集合場所の高遠城址公園には10時少し前に到着した。1時間のロスにもかかわらず、スタートには間に合った。着替えをして、受付、検車を済ませて開会式を待つ。ゼッケンは36番だ。初参加で何となく落ち着かない。周りをキョロキョロと見渡してみる。2日間の参加者総数は251名だったと後日アナウスがあったが、ここに集まっている参加者は100名前後だろうか。マウンテンバイクでの参加者が多いように見える。高校生だろうか何とママチャリでの参加者もいる。色とりどりのサイクルウエアを身にまとったライダーの中に、Tシャツ姿や法被姿までいる。この方が目立っている。サイクリング大会らしい和やかな雰囲気がある。年齢層もバラバラだ。同人類のオヤジ族もいるではないか。しかも、オヤジ族ほどライダーらしいサイクルジャージでキマッている。同族のこの人種は、カタチから入るようだ。
 開会式があって午前10時30分、号砲の花火を合図にスタートだ。速さを競う大会ではないので先を争うような緊迫感はなく、整然と出発ゲートを出ていく。この広場は未舗装だから舗装路面まで転がして行き、ここから乗り込むことにする。最後尾からスタートになった。それでも公園を周回する沿道から拍手が起こっている。いやいやこれはなかなかいい気分だ!。

 国道R152秋葉街道を南下するこのコースは、まず美和湖畔を走る。路面の照り返しも手伝って異常な暑さだ。途中のチェックポイントで、ボトルへ水の補給を済ませるつもりだったが、5分と走らないうちから異常な発汗状態に陥る。最後尾スタートだから、先行者を追い抜くことはあっても追い越されることはないが、肝心の体が重く、シャキッとしない。長谷村に入って道の駅「南アルプス」の手前が急坂路になっている。ギアは早くも2段残しのF39/R21T。喘ぎながらの状態だ。この体のだるさは走り始めて直ぐに感じていたが、まるで乳酸のかたまりが脚に住みついているかのように重い。それにしても暑い。これまで暑さを避けて早朝ばかりを選んで走っていたため、体がこの暑さに順応しない。体はだるく、頭はボーっとして最悪の状態だ。この「道の駅」に駈け込み、アクエリアスをボトルへ補給できた。先週からコンディションを整えてきたつもりだったが、今朝午前5時前に起床して東名、中央高速と乗り継いできたことに加えて、準備運動代りにやるストレッチをサボったツケがきたようだ。
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 道の駅は、道路利用者の休憩スポットとしてだけでなく、地場産品の販売など、地元ならではの特色を活かした交流の場として旅行者に人気だ。ここの道の駅「南アルプス」では、パン屋さんが人気らしく、長谷村のホームページで紹介されている。クルマで先回りしていた妻からもらった焼立てのパンはなるほど美味い。ついでに記念撮影までして、またまた最後尾からスタートとなる。ほどなく第1チェックポイントの「美和ダム中央構造線公園」に到着した。

第1チェックポイント「美和ダム中央構造線公園」(通算8.7q、標高826m、次のチェックポイントまでこの区間7.0q、標高差41m・平均勾配0.6%)
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 先着者は、20人位だ。もう先発している人も多いが、このひと数なら気になる遅れも心配なさそうだ。麦茶のサービスで水分補給する。テントでは、長谷村の観光パンフレットやタオルの配布コーナーもあって観光イベントの雰囲気だ。この場所は、美和ダム湖畔の中央構造線の断層露頭部だそうで、標識があって、断層がそれとわかるように路面に直に白線が敷かれていて、その延長線上が断層境界であるという案内になっている。コースに観光スポットをからめて、地場の名所を上手にアピールしている。断層露頭部の案内表示のところにバイクを置いて記念撮影。この大会に合わせてIRCレッドストームに履き替えての参加だから、どこかでマイバイクを撮っておきたいと思っていた。改めて眺めると赤系フレームに赤のタイヤは、ケバケバしく落ち着きがない。力のあるライダーが乗れば絵になるが、以前の黒の方が締まって格好良かったかなどと思いながら、カップルでサイクリングに参加している方とお互いに写真を撮り合ったりして、観光モードに突入。こんな状態だから、またまたドン尻からの出発となってしまった。この観光モードが休息となって、体が暑さに馴れ、ここからはすこぶる快調に走れる。
 三峰川に沿ったこの区間は、若干の登りだか1.5車巾から2車巾で路面もよく整備され、南信州の自然に溶け込んで心地よく走れる区間だ。山並みとともに渓谷が深まるにつれて、路面のほとんどが日陰になっていて、先ほどまでの暑さと打って変わって涼しい。ギアは、F39/R13T〜15T位で、時速20q/h後半をキープ、脚はクルクルよく回っている。先行者を何人位追い越したのだろうか。抜き去るときの気分は、速度感以上に捨て難い快感になる。脚がないだけに先行して抜かれっぱなしより、後方からスイスイ走る方が楽しいかな。市野瀬の村落にはアッという間に到着した。

第2チェックポイント「市野瀬」(通算15.7q、標高867m、次のチェックポイントまで区間7.8q、標高差557m・平均勾配7.14%)

 前の区間が快調に走れただけに休む気にならない。スタンプをもらい、トイレを済ませ、水分補給もほどほどに直ぐスタートする。
 ここからがこの大会最大の登りになる。覚悟して臨んだつもりだが、ほぼ真直ぐの登りが延々と続く。ギアは最大のF39/R25Tを使い切ってもうこれ以上はない。フライトデッキのスピード表示は5〜6qで歩くスピードと変わらない。押して歩く人もいる。そういえば、大鹿村のホームページで、昨年の様子が紹介されていて、それほど厳しいとは思えない所を押して歩いている参加者の様子が紹介されていたが、どうやら勾配のキツさがわかっていなかったようだ。真直ぐのどこまでも同じ調子の登りが続く。ということは、どこまでも休ませてもらえないコースになっていて、ごまかしようのないキツイ登りだったのだ。
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 この大会に備えて地元の日本平や由比の大代峠、安倍街道・梅ケ島などの山岳コースを走り込んできたが、地元の登りは、同じ登りでも道路がつづら折りになっていて、ターンの切換えのたびに斜度も切り替わって、強弱に変化がつけられていたり、途中で平坦に近い所や登ったり下がったりのアップダウンがあって休ませてくれる。こうした場所を利用して呼吸を整えられる。ここは、坂の質が違っていた。地元の登り坂は、ライダーに優しいコースだったことに気づかされる。
 最大心拍数は、220マイナス年齢といわれる。とすると160?。あり得ない数値だと思うが、オヤジ族のリミットの140台だろう。すでに達しているだろうか。もがきながら、亀のようにではあるが、少しずつ登っていく。この区間は7.8qとのことだが、何と長く感じられることか。
 それでも右に緩やかにカーブした先に突然テントが現れる。ここはチェックポイントではなく、長い真直ぐな登りの終わりに設けられた休憩所だ。川からポンプで水をくみ上げ、シャワーの雨を降らせてくれている。きめ細かい気配り、ボランティアの青年団パワーがありがたい。力のあるライダーはここをパスしてこの上の峠を目指す人もいる。オヤジライダーにとってはそろそろ限界に近づいたときだけに恵みのオアシスだ。
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 赤のお揃いのウエアできめ込んだカップルが、このシャワーの中ではしゃいでいる姿が絵になっている。
 ここでスポーツドリンクとバナナを補給して、峠の頂上にあるチェックポイント目指して残りの登りに挑むことになる。ここから峠までは、これまでの真直ぐな登坂路と違って、つづら折りの登りになる。左右にターンするたびに斜度が切り替わるいつも経験している登りに近い。傾斜も若干緩やかになったようだ。相変わらずギアはF39/R25Tを使い切っているものの、この坂なら行けそうだ。ライダーには優しい登りだと思う。峠の最高点に近づくにつれて、走ってきた後方の高遠から諏訪湖に通ずる杖突峠の方向に向かって、河川の侵食で削られた中央構造線の断層部のV字谷をはっきりと目に出来る。The「中央構造線」というロケーションを確認する余裕もでき、直上の長谷村と大鹿村を別ける分杭峠のチェックポイントに到着した。

第3チェックポイント「分杭峠」(通算23.5q、標高1,424m、次のチェックポイントまで区間3.3q、標高差△412m・平均勾配△12.5%)

 このチェックポイントでキュウリ、トマト、豚汁、おむすびが振舞われている。冷えたキュウリとトマトが実にうまい。おむすびはパスして豚汁を腹に収める。うまい筈だ。何といっても野菜の新鮮さが違う。みずみずしい上に、登りきった達成感がある。休憩している人の顔は、皆充実感に溢れ、ほほ笑んでいるように見える。ヒルクライムは、登り切った達成感が最高の清涼材になる。登りはつらいがつらさはすぐ忘れて、この充実感が記憶にインプットされてまたチャレンジしたくなるものだ。乗鞍などのヒルクライムに根強い人気があるのはこうした理由なのだろうか。
 これから下りとはいえ、腹がダボダボ状態では走れない。飲み過ぎ食べ過ぎに注意しよう。空になったボトルに水を補充して下りに挑むことにする。
 そうそう、山頂での長い休憩は避けたい。以前、梅ヶ島温泉から山梨県身延町大城に通じる安倍峠に挑戦したとき、峠でのマッタリで体を冷やし、下りでは、夏だというのに凍えるかと思うほどの寒さにまいったことがある。持てる最大のパワーで登ってきただけに、クラッシクカーのエンジンはオーバーヒート気味だ。それに冷え過ぎも性能低下につながる。旧式なだけに十分な性能を発揮できるよう気配りがいるのだ。早々に出発だ。次ぎの矢立て木には、急勾配を下ってアッという間に到着した。

第4チェックポイント「矢立て木」(通算26.8q、標高1,012m、次のチェックポイントまで区間17.2q、標高差△292m・平均勾配△1.7%)

 登って来た分杭峠はきつい急坂だったが、下っているこの道、南面の大鹿村側の方がもっと急勾配に感じる。逆コースでなくてよかったと思いながら下る。1.5車幅の狭い急坂のカーブの連続を過ぎると、今度は、長い直線の下りになる。今日の最高速度65.6q/hはここで記録する。
 休憩時間をカットして順位を上げたから相当前にいるのだろう。追い越すバイクはなくなった。今は、先行者すら確認できない。これまで追い越したのは、大半がマウンテンバイクだが、これがロードに劣らずけっこう速い。下り坂ではロードもMTBも大きな差はないようだ。大鹿村に降りてきて道路巾は6m以上に広がり快調にとばす。ロードの醍醐味を味わいながらのライドになる。この爽快感が最高なんだよ。これだからやめられない。ケイデンス100を上回るペダリング感覚は、ジロ・デ・イタリアかツールド・フランスにでも出られそうな錯覚に陥る。疑わない勝手な思い込みと誤解もここまでくれば最高にハッピーだ。
 最大心拍数の6・7割位、筋肉が必要とする酸素量と摂取する酸素量が均衡している状態をセカンド・ウインドウ状態という。平地で70〜80位のケイデンスで回していて、運動負荷をほとんど感じない状態になると、頭の中が目覚めて、別次元の思考状態に入っていく。この状態が、脂肪を燃やしてエネルギーにしていく有酸素運動状態とも一致するそうだが、この状態の爽快感が自転車にとりつかれる理由の一つだ。思わず両手を高くあげゴールするパフォーマンスを演じて走り続ける。

第5チェックポイント「中央構造線博物館」(通算44.0q、標高720m、1日目ゴールまで1.6q、標高差△20m・平均勾配△1.3%)
 大鹿村役場前で、車で先行していた妻と合流する。ルートは、大鹿村のメインストリートを離れ、大西公園を迂回して、中央構造線博物館を経由するコースになっている。大西公園は、昭和36年に大きな災害となった大崩壊跡地を整備した公園だそうだ。一部未舗装の所をゆっくりと通って中央構造線博物館に着く。ここで到着した順番に一人づつ記念写真を撮ってくれる。順番は早い方で、フィルムカウンター枚数は、10数枚目とのことだ。自分のカメラにも収めてもらいゴールに向かう。

ゴール「大鹿村ビガーランド」(通算45.6q、標高700m)

 フライトデッキの記録は、走行時間2時間11分、距離42.47q、MAX65.6q/h、AVE19.3q/hである。AVEが20キロ未満とはさすがに登りが足を引っ張ったようだ。時間は13時になるところだ。きついが楽しいライドだった。ゴールして南アルプスの名水「鹿鳴水」をもらい、冷えたキュウリ、トマト、モモをほお張り、小渋川温泉赤石荘の温泉に向かった。大鹿村から狭い道を登った中腹あって、湯船から眼下に山里を見下ろす絶景が広がる、入浴500円とは安い。
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今日の宿は、民宿「美野鹿」(MIYAGA)だ。

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